2008年5月14日水曜日

検証:ブラジルは妊婦に優しいか

皆様、こんにちは。私の妊婦生活も34週、とかなり後半に入りました。日本で妊婦をやったことがないので、比較はできないのですが・・・体験を踏まえ、ブラジルでの妊婦の扱われ方が、どんな感じかをお伝えします。

まず、職場。法律的には、「妊娠中の解雇はできない」というのがあります。・・・まあ、私の場合は解雇されましたが。これは違法なんで、訴えることもできるわけです。しかし、私のように、半年も働かず、1年分の保障をしろ、と訴えるなんてことをしたら、次に就職する時に前の会社の上司の推薦状がもらえない、とか、悪く言われる、とかいうリスクが出てきます。それに大きな会社でも、仕事に復帰したとたん解雇された、などという話もよくあるようです。なので、この法律によって妊婦の仕事が守られているとは言い切れないように思います。
ちなみに、憲法で設定された産休・育休は、合計で120日。給料は全額保証される決まりのようです。また、労働法で妊婦は出産4週間前、出産後8週間の労働を禁止しています。なんで、大抵の妊婦はできるだけ赤ちゃんと時間を過ごしたい、と予定日の1ヶ月前まで仕事に出るようです。あと、産後半年間は、「就労時間内に2回、1回当たり30分間の授乳時間をとる権利」があるそうですが、なかなか行使するのは難しいように思われます。
で、仕事に復帰する際、子供を誰がみるかと言うと、祖父母もしくは乳母、看護婦でございます。乳母は、家事一般を担当するお手伝いさんが兼ねている場合もありますが、育児のみを専門に行う場合もあります。また、看護婦は、子供が病弱だからと言う理由ではなく、知識がある人に育児を担当して欲しい、ということから雇われるようです。育児専門の乳母や看護婦は、大抵、上下白色の服を着ています。(余談ですが、こっちの医療従事者はみんな上下白の服を着た上に、白衣を着ています。)道で似ていない子供の乳母車を押した白い服の人に出会ったら、まあ、乳母だと思って間違いございません。

妊婦の扱われ方に戻ります。次は、公共交通機関で席を譲られるか、について。こっちのバスや地下鉄にも、日本同様、優先席があります。で、妊婦も使用対象となります。地下鉄は、女の人が乗客にいると、大抵優先席以外の席でも、腕をひいて呼んでまで譲ってくれます。男の人は・・・いまいち気が利かないですね。バスは混む為か、地下鉄に比べるとあまり気付かれないものです。
また、交通機関以外の場所でも、優先席同様の対象で、優先窓口が設けられています。私がよく使う場所だと、例えば、銀行、郵便局の窓口、映画館のチケット売り場、スーパー、薬局のレジなどです。どこも通常かなり並ぶので、特権を感じられます。それは、忙しい人を対象にした、高齢者貸し出しビジネス(人気パンクバンドのライブチケット購入にやたら老人が多いとしたら、きっとバイトです)に次ぐ、妊婦貸し出しビジネスでも・・・と思ってしまう程です。

あと、女性の妊婦に対する理解は高く、労ってもらえる気がします。特にそう感じるのがトイレ。ショッピング・モールや美術館、劇場など、「うわぁ、すごい列!」なんて時でも、大抵「先に使っていいわよ」「私も子供を産んだから、分かるのよぉ」などと言って、並ばずに使わせてもらえます。
それに、こっちの女の人は、ただでさえお喋りなところ、妊婦は話しかけるきっかけを体現してるようなものなので、やたら皆さんからフレンドリーに接していただけます。


・・・こんなところでしょうか。他に知りたいことがございましたら、ご連絡下さいませ。

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